先月末からNTT地域会社設置の公衆電話の一部が不通になっていた件について、弊紙の独自取材でこのたびようやく原因が判明。
「待遇悪化に耐えかねた社員のストライキ」
によるものだったことがわかった。NTTは同問題について「プログラムミスが原因」と苦しい釈明をしているが、か弱い労働者の必死の抵抗を「不具合」と隠蔽しようとした同社の企業モラルが問われそうだ。
弊紙編集部は、ストライキを主導したNTT公衆電話組合「ミカカユニオン」幹部と電話でコンタクトを取ることができた。スト失敗後、NTT経営陣による執拗な迫害から逃れ地下潜伏中のこの幹部は語る。
「決死の覚悟でストに打って出た。失敗したあげく、抗議行動自体をなかったことにされてしまうとは屈辱的だ」
ケータイの向こうからはすすり泣くような声が聞こえた。
ここ十数年のあいだに、ミカカユニオン組合員らが働く事業部では急激に業績が悪化。早期退職制度などを利用して数千人規模のリストラがおこなわれていた。いっぽう、退職に応じない組合員らに対して会社側は、
- 顔にピンクビラを貼り付ける
- 犬のおしっこをかける
- ガラス張りの四角い箱の中に一日中閉じ込める
などの嫌がらせを繰り返していた─と、前出の幹部は告発する。こうした仕打ちにもはや我慢ならないと、およそ2,700人の組合員が一斉に蜂起したのが1月31日のことだった。
組合側の誤算は「道行く人々がほとんどストに興味をもってくれなかったこと」。組合員らが必死に「NTTの不法行為に共に声をあげてください」と無言の訴えを繰り返したのにもかかわらず、足を止めてくれる人はいなかった。民衆の無関心をよいことにNTTは組合員の拉致など実力行使に乗り出し、ストを崩壊に追い込んだ…。
「このままでは終わりませんよ。会社の不法行為を白日のもとにさら…あ、ちょっと電波が悪いんで、きょうはここまで…」
通話が切れ、その後音信不通となった組合幹部。彼の健闘を祈りたい。