三省堂は11日、同社の主力辞書「新明解国語辞典」をテレビ搭載や手書き対応などに対応させたハイテク型の新バージョンを発表した。辞書市場では電子辞書の台頭により新明解など老舗ブランドが苦戦を強いられている。同社は今回の新版により若者を中心とした読者ばなれをなんとか食い止めたい意向だ。
新たに発表されたのは「新明解国語辞典第六版2.0」。今回の2.0では、解像度300DPI(DPI=インチあたりドット数)以上の高精細表示に対応。同等価格帯の電子辞書とは比較にならない美しさ・読みやすさを提供する。また、オプション購入により「テレビの搭載」が可能。アナログ・デジタル・ワンセグ、どのタイプのテレビも乗せることができる。三省堂側では「最大40インチの液晶テレビとも組み合わせられる」としており、うまく使えば大画面テレビのグラつきをおさえたりワンセグケータイを安定して設置することができるという。
さらにユニークなのが高精細表示デバイスに直接メモを書き込める「手書き機能」。何文字でも何ページでもフリーフォーマットでの書き込みが可能で、しかも白黒だけでなくフルカラーでの記入にも対応する(色えんぴつはオプション)。蛍光マーカー使用時には「セックス」「淫行」など気になる項目を念入りに目立たせられるため、中高生にオススメだ。
「シャープなどのライバル製品ではここまで自由度の高い書き込みはできない。機能的なアドバンテージを活用して他社との差別化をはかりたい」
と、開発主任の山田忠雄氏は語る。
価格は従来品据え置きの3,045円。月末にかけ全国の書店に順次出荷される。