2日の世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級王座決定戦で、亀田興毅(19)が新王者となった感動の一戦。全国のお茶の間に感動の涙を呼んだこの戦いの裏に、実はもうひとつの“小さな”戦いがあったことが弊紙の調べでわかった。
戦いの主人公は、都内の病院に入院中の少年・Aくん(7)。Aくんは後天性口腔内カリエスという重い難病に苦しんでおり、緊急の手術が必要との診断が下された。しかしまだ幼いAくんは、難易度が高く苦痛を伴う手術を受けることに恐怖を感じていた。
たまたまAくんと交友があったのが、亀田戦で審判をつとめることになっていたWBAの関係者2人。試合の前日。2人はAくんを励ましに病院をおとずれた。
「がんばって手術しようよ」
「いやだ!
がんばったって、なんでもうまくいくわけじゃないじゃん!」
「そんなことはない!
がんばることは大事だ!
がんばればなんだってかなうんだ!」
「じゃあ、おじさんたち証明してよ!」
「…いいだろう。
約束だ。
明日の亀田戦、おじさんたちがんばってみせる。
もしがんばって亀田が勝ったら、
きみも手術をがんばるんだ」
Aくんとゆびきりをして、戦いの舞台に向かう2人。…試合は難航を極めた。必死に亀田のポイントをカウントする2人。やがてゴングが鳴った。結果は…2対1のみごとな判定勝ちだった。少年との約束は、みごとに果たされたのだ!
審判らは、
「もうだめかと思ったときもあった。しかし、そんなときも少年との約束を思い出し、死ぬ気でがんばった。子どもの夢は裏切れませんからね」
と熱く語る。
亀田戦で勇気をもらったAくん。その後ボクシング賭博で巨額の配当をもらいうけ、今ではすっかり元気になっているという。