14日に開票を終えた民主党代表選挙の結果、菅直人氏が同党代表に再選された。一部では根強い支持を集めていた小沢一郎氏を抑えて当選した背景には、地道な選挙戦に加えてキャッチーな
「回文」
による街宣作戦があったようだ。
「民主党の代表には、やっぱり“かんさんか”。下から読んでも“かんさんか”」
選挙戦最後の日曜日、渋谷駅前で民主党サポーターらを前にした菅陣営は盛んに繰り返した。語呂のよい「かんさんか」は、やがて聴衆のあいだにシュプレヒコールとなって広がった。
街宣に回文を使おうというアイデアは、選挙スタッフのひとりの思いつきから始まった。
「“政治家はだれを選んでも同じ”という常識がある。それを逆手に取って“菅さんなら上から読んでも下から読んでも同じ”とアピールしたかった」
という。目論みはうまくゆき、党関係者は「どうせ同じなら」と菅氏支持へとなだれこんだ。
敗北した小沢陣営では
「回文のチカラを甘く見ていた。次期代表選に向け
“おざわのわざを!”
など強力なキャッチフレーズを開発したい」
と話している。