市場でもやしの価格が急騰している。これまで
「なまっちろい」
「ひよわ」
「オタクっぽい」
とされてきたもやしは、市場価値が上がっていることに狂喜。「彼女ができるのも夢じゃないかも」と期待をふくらませている。
都内の高校に通う水沼良彦くん(16)も大喜びしている筋金入りのもやしのひとり。水沼くんは中学時代から、昼休みはみんなが校庭で遊んでいるのに図書室にこもり、想いを寄せる同級生がとなりで運動部のエースに口説かれていても中指でメガネの位置を直すアピールしかできないほどのもやしっぷりで、女性にはまったく縁がなかった。
しかし、このところの恋愛市場でのもやし価格高騰により、女性投機家筋が
「色白ですてき」
「繊細そう」
「知性を感じるわ」
と先物買いに走ってくるようになり、急速に女性と話をする機会が増えたという。「この調子なら彼女ができるのも夢じゃないかも」と水沼くんはうれしそうに語る。
もやしに詳しい事情通は
「もやしはもともと栄養豊富で、ちょっとおだてればいくらでも貢いでくれる好材料。市場のちょっとした変化で値上がりするのは何の不思議もない」
と分析する。いっぽうで、低価値野菜のもうひとつの代表株である「あおびょうたん」については特に値動きがなく、早期に女性の見る目の育つことが期待されそうだ。