電気自動車やハイブリッドカーなどエンジン音がほとんどしないエコカーの普及で、視覚に障害をかかえる人が交通事故に遭うおそれが高くなっているとして、国土交通省は26日、エコカーの走行時には擬似走行音を出すことを義務付ける方針を固めた。決定を受けて全国のドライバーたちは走行音をたてる練習に必死で取り組みはじめた。
「ブッブー」
「ブロロンブロロン」
おとなたちが真剣な表情で自動車走行音の口マネをしている。東京・鮫洲の自動車教習所の一室。義務化に備えた駆け込み需要で入学生が絶えない。しかし、教える側も手を抜かない。
「そこ! もっと真剣にやれ!」
「今のは“パラリラパラリラ”だろうが!」
と鬼教官の怒号が飛び交う。
「突然の義務化ですからね。あせりましたよ」と愚痴るのは教習を受けている会社員(34)。
「でも不思議ですね。走行音を一生懸命出していると、意識がアクセルに集中できなくなるせいか自然と安全運転になるんです」
と意外な副次効果を語ってくれた。
この効果には国交省もすでに注目しており、自動車以外にも口マネによる擬似走行音の義務付けを検討している。
- 飛行機では「キーン!」と叫ぶことを義務付ける
- 勉強中は「ガリガリ」とつぶやく
- エッチの最中は「ズッコンバッコン」
などが俎上にのぼっているとか。実現すればさらなる安心・安全社会の到来間違いなしと言えそうだ。