前航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏が広島市で行われた原爆死没者慰霊式について「左翼ばかりで被爆者も遺族も参列していない」と発言した件が物議を醸しているが、これに
「ワタシハイタ!」
と真っ向から反論する被爆者遺族が現れた。田母神氏が今後どう対応するかが注目を集めそうだ。
この遺族は、広島県内の無人の家在住のイスさん(年齢不詳)。イスさんは広島の原爆で家族の少女・イーダさんを亡くしている。精神的に大きなショックを受けたイスさんは、一時は通りすがりの女の子にイーダさんと間違えて言い寄り警察に逮捕されるなど錯乱したこともあったが、今ではようやく立ち直りイーダさんの冥福を祈る静かな日々を過ごしている。
そんな平穏な日常を崩壊させかねない田母神発言に、26日に県内で記者会見を開いたイスさんはコトリ、コトリと脚を打ち鳴らして歩き回りながら怒りをあらわにする。
「ソンナコトハナイ!
ソンナコトハナイ!
ワタシハ マイトシ イレイシキニ デテイル!
コトシモ ワタシハイタ!」
参列したイスさんは、他の参列者に間違って腰掛けられるというハプニングはあったものの、確かにいたという。
今回の証言は田母神発言の信憑性を根本から揺るがすもので、対応の如何によっては右翼界随一の論客として知られる同氏の信頼を失墜させる可能性もありそうだ。いっぽう、ネットの匿名掲示板では
「イスは脚が左側に傾いていた。左翼なのではないか」
という未確認情報も飛び交っており、予断を許さない状況だ。