政府・与党首脳部は10日、総額2兆円の定額給付について正直に年収を申告した者がトクをする
「女神審査」
制度を導入することで大筋合意した。定額給付については、所得制限の基準を自己申告制とすることについて民主党の鳩山由紀夫氏から「正直者が損をする制度だ」などと強い批判があった。今回の措置はこうした批判を回避するねらいがあるものとみられる。
女神審査は、定額給付の支給場所となる各地方自治体に女神を配置。申請に訪れた国民ひとりひとりに、
「おまえがほしいのは、一般所得者向けのこの銀の給付金ですか? それとも若者・高齢者向けのこの金の給付金ですか」
とたずねさせるしくみ。これに対し、正直に「いいえ。私は企業経営者で年収も1千万以上あるから給付対象外です」と答えると、女神が感心して
「正直者のおまえには、高齢者向けの給付金と法人税大幅減税をあげましょう」
とトクをするようになっている。
今回の決定について、与謝野馨経済財政担当相は
「“正直”という日本人古来の美徳を尊重しつつ、企業減税で経済に活力を与えることもできる。一石二鳥の策だ。これで経済再生は間違いない」
などとコメントしている。また、女神には「本当に困っているお年よりは役所に足を運ぶ体力もないはず。“自分は高齢者だ”と主張して高額な給付金をせしめようとする輩には、コブをつけて追い返してしまうように」との指示も出ており、不正対策は万全だ。
なお政府では、支給申請の状況を市区町村レベルで把握、最終的に実数を公開する予定だという。「百年に一度という金融不安のさなかに国にカネをせびる…そんな非国民が多いのはどの地域なのか。これで一目瞭然になる。もともと定額給付自体、そのために中山成彬前国交相が立案したもの」と与党の事情通は衝撃の事実を明かす。ムダ金をバラまくように見せて、効率的に非国民の所在把握をおこなうという深慮遠謀…。今さらながら中山氏の慧眼ぶりに敬服させられた。