新興のアイドル事務所として動静が注目されていた「961プロダクション」は9日、同日付で事業を停止し解散することを発表した。同社は今年に入って開業したばかりで、「一部プロダクションによって独占されている女子アイドル業界に風穴を開けてくれるのでは」と期待されていたが、実質的な活動のほとんどないままにその野望は頓挫したことになる。
961プロダクションは、黒井社長が立ち上げた新進気鋭のアイドル事務所。女子アイドルの世界は多数の所属アイドルとキモい固定ファンを擁する「765プロ」により事実上独占状態にあったが、黒井社長は
「私たちが業界に新しい風を吹き込む」
と宣戦布告。我那覇響さん(15)、四条貴音さん(17)ら3名の所属タレントを武器に業界に殴りこみをかけるかたちで起業した。
しかし、961プロの周辺ではいわれのない誹謗中傷が相次ぎ、業務に支障をきたす事態となっていた。あいさつ周りに行った先で、
「あー、くさいプロさんね。おつかれー」
「例のアレ、よろしくね。くさいプロさん」
などと、かならず名前を間違えられるのである。以来、961プロはすっかり「くさいプロ」という印象が定着してしまい、果ては所属アイドルまで「くさい、くさい」と言われるように。あまりの中傷にアイドルたちの中には心身に不調をきたす者も続出。ここに至り、黒井社長は「彼女たちの今後を考えるともはや事業を継続できない」と解散を決めた。
931プロ所属だったアイドルのひとり、星井美希(14)さんは、記者団の取材に対し
「キモいプロデューサーさんたちばかりの765プロから逃げ出し、新しい一歩を踏み出そうとしていたのに。女の子として“くさい”と言われるのは耐えられなかったが、931プロ解散はさらにやるせない…」
とうなだれ、ショックを隠しきれないようすで答えていた。