小泉首相は7日、首相官邸で記者団を前に自作の散文詩を披露した。すでに後継者選びが本格化するなど「ポスト小泉時代」が現実味をおびるなか、自身は退任後に詩人としてデビューすることを見据え布石を打ったものとみられる。
首相が発表した作品は以下のとおり(抄録):
「私にやらせないで」
私にやらせないで
保守政党の華のように
国の代表のように
やらせないでください 私も民草
国債残高から目をそむける
見渡す限りの赤色の国債
私に期待しないで
連立政党に薄められた公約のように
ぬるい経費削減のように
期待しないでください わたしは水
とほうもなく満ちてくる
苦い薬を 国民に飲ませる水
文芸評論家の小須田進氏は「一国の宰相でありながら、しょせん既得権益の御用聞きに過ぎない一男性の悲哀をよく描写している。“どうせあとわずかの任期なんだから調整役なんてさせないで、楽に過ごさせてくれ”という無責任感もひしひしと伝わってくる」と絶賛している。
いっぽうネット上では「どこかで聞いたことがある」「盗作ではないのか」との批判が殺到している。意気込んではじめた首相の文筆活動だが、早くも暗礁に乗り上げつつあるかっこうだ。議員年金の前途に暗雲が立ちこめる中、小泉氏が老後の生活資金をどう工面するのか、今後の動向から目が離せそうもない。