日本海から三陸沖にかけて大発生し、漁業関係者を悩ませているエチゼンクラゲ。中華料理では高級食材として利用されているものの国内には加工ルートがなく、大量に捕獲した際の処理方法が頭痛のタネ…。しかし京都府伊根町の漁協では、思いもよらぬ活用法を編みだし話題を呼んでいる。
大きいものは2メートル、重さは200キロにも及ぶエチゼンクラゲ。多い日には1,000個も網にかかることがあり頭を抱えていた同町の漁師たちだったが、ブヨブヨとピンク色に鈍く光るクラゲの表皮を前にひとりが口にした感想が思わぬヒントになった。
「なんか避妊具みたいだよね?」
漁協長の飯田義彦さん(54)がさっそく岡本理研ゴムに連絡を取ってみると、駆けつけた同社の研究員も太鼓判を押したという。「これはイケます!」の一声で、即商品化にゴーサインが出た。エチゼンクラゲの皮をそのまま素材に利用した「エチゼンドーム」の誕生だ。
独特の触感はまさに避妊具にベストマッチ。ほどよい分厚さが「ちょっと早くて…と気になっている男性諸氏のニーズにピッタリ」とのこと。しかも、天然素材なので副作用などの心配は一切ないという。もちろん食用品質を満たしており、使用後にはそのまま食べることもできる。現在販売しているのは「イカ風味」。「クラゲなのにイカ?」という意外性もウケているようだ。
一部で好評なのが「装着したら腫れて大きくなった」という想定外の効用。残留していたエチゼンクラゲの刺胞がうれしい副作用を引き起こしたのだ。岡本理研ゴムでは「ビガーパンツにならぶヒット商品になるかも」とホクホク顔。エチゼンドームに関する問い合わせは03-3604-2000(東京)。
- 2005
- 11/03 21:29