就職も通学もせず屋内に閉じこもってくらすいわゆる「引きこもり」が、全国でおよそ2500万人にものぼることが明星大学の調べでわかった。年齢でみると最も多かったのは65歳以上で、若年層が多いとされるこれまでの通説をくつがえす結果となった。
調査をおこなったのは明星大学人文学部の高塚雄介教授(臨床心理学)らのグループ。今年1月、大学近隣の家屋や老人ホームなどを無作為に38軒ほど訪問し、聴取をおこなった。その結果、働きもせず家にこもってのうのうと年金暮しをしている引きこもりは25.2%にものぼることがわかった。これを国内総人口にあてはめると、推計でおよそ2500万人が引きこもりである計算になる。
引きこもりになった原因は「定年」「体力の限界」など本人の努力不足であるものがもっとも多かった。なかには調査員が訪れても
- 寝床に臥せって出てこない
- 小さな壷に入って出てこない
- 石の下に隠れて出てこない
など社会性の極端に欠如した引きこもりも見られた。こうした例は70代・80代など高齢者になるほど顕著で、これら世代の人間力不足があらためてあらわになったかっこうだ。
高塚教授は
「生物学的に同様の傾向のある予備軍は1億人にも達する」
と指摘、国レベルで早急な対策を─と訴える。引きこもりは国家に害毒となる悪しき存在。予備軍も含め徹底して根絶やしにする必要がありそうだ。