地域色豊かな“ローカルヒーロー”が全国各地で人気を呼んでいるが、それに水を差すようなスキャンダルが飛び込んできた。鳥取県境港市のご当地ヒーロー「イワシマン」が10日、小学生に暴力をふるったとして現行犯逮捕されたのだ。鳥取県警は「か弱い子どもを襲うとはヒーローにあるまじき行為」として、厳しく取り調べていく方針だ。
事件があったのは10日のお昼過ぎ。調べによると、イワシマン容疑者は市内在住の佐藤さん宅に勝手に上がり込み、朝ごはんを食べずスマブラで遊んでいた佐藤拓也くん(10)に
「大きくなるには健康な朝ごはんだ!」
と説教。持参したイワシを焼き
「骨ごとバリバリ食べればカルシウムが摂れるぞ!」
と、むりやり食べさせた疑いがもたれている。イワシの小骨がのどに刺さった拓也くんが大声をあげて泣いたため、家人が気づいて110番通報。イワシマンはかけつけた警察官に現行犯逮捕された。拓也くんは全治2日のけが。
イワシマン容疑者は境港の水産物を広める目的で2000年ごろから活動をはじめたローカルヒーロー。先日はCDデビューも果たすなど人気を博していたことで知られる。しかし、デビュー以来
- 臭みがある
- ちかごろ値段が高い
など暗い噂のつきまとう人物でもあった。境港市の住民に取材したところ、
「ついにやったか…という印象。やはり地元のヒーローは鬼太郎しかいない」
と日和った意見を述べていた。
ローカルヒーローについては「粗製濫造のあまり質が落ちている」との指摘がかねてからある。先日は水産物系ヒーローのシシャモマンが「実はカペリンマンだった」という偽装事件も発覚したばかり。相次ぐスキャンダルに文部科学省の松浪健四郎副大臣は「信頼できるヒーローの認定業務をおこなう“日本ヒーロー協会”を創設し、文科省の天下り先としてはどうか」との見方を示している。