誰もが知っている子ども向けテレビ番組で、出演者がいつのまにか行方不明になっていた─そんな不気味な失踪事件が起きていたことが9日までにわかった。失踪した人物はおなじ番組の共演者の“うたのおねえさん”とのあいだでトラブルを抱えており、警視庁では
「いさかいから殺人に発展した可能性が高い」
と見てお姉さんに事情聴取をおこなうほか、慎重にゆくえを探している。
このテレビ番組はNHK教育で平日朝に放映中の「おかあさんといっしょ」。ことし50周年をむかえる長寿人気番組だが、
「名称にもなっている“おかあさん”が、番組にまったく出てきていない」
ことにスタッフが先日気づき、事件が発覚した。通報を受けた警視庁が過去1ヶ月分ほどの録画をチェックしてみたものの、出てくるのは
- ゾウともカバともつかないヘンな着ぐるみ
- ぜんまい仕掛けのさむらい
ばかりで、おかあさんは影も形もなかったという。「冠になるほど重要な出演者が失踪しているのに、これまで誰も気づかなかったとは…」と捜査員は首をかしげる。
いっぽう、関係者に聴き取り調査をおこなったところ、捜査線上にひとりのあやしい人物が浮かび上がった。同番組で“うたのおねえさん”を務めるはいだしょうこ容疑者(30)だ。調べによれば、はいだ容疑者は過去におかあさんから
「あのコ、絵がおそろしくヘタじゃない? 子どもの教育上よくないかんじ」
とひどい陰口を叩かれたことがあり、個人的な恨みをもっていたらしい。
また、はいだ容疑者は3月いっぱいで同番組を降板することが決まっている。関係者のあいだでは、降板決定は「絵がヘタだったから」とささやかれており、警視庁は「憎悪をつのらせたはいだ容疑者が思いあまっておかあさんを殺害したのではないか」と見て慎重に取り調べを進めている。さらにおかあさんのゆくえについても、テレビの中だけでなくお茶の間にまで捜索範囲を広げているが、今のところ
「テレビの前にはパジャマ姿の幼児しかいない。少し離れた寝室に生きものの気配があったが、惰眠をむさぼっている雌アザラシだった」
ということで、発見は絶望的と見られる。