宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5日、不調をきたしている小惑星探査機「はやぶさ」復旧のため、都内在住の無職・東郷征二朗さん(92歳)に応援を要請したことを明らかにした。
はやぶさは小惑星の破片採取という世界初のミッション達成を目指し航行中の探査機。現在目標小惑星まで7kmの地点に到達しているが、7月末から3基ある姿勢制御ジェットがつぎつぎ故障。2日夜には最後の1基が停止。復旧の見込みがたたない状態となっている。
東郷さんは第二次世界大戦末期、隣組組長として活躍。国民総動員体制を長らく現場で支えたキャリアに加え、「竹槍をかまえ、気合い一発で上空1万mの成層圏を飛ぶB29を撃墜したことがある」高度な技術の持ち主だ。JAXA内に「国民学校時代、東郷さんの体験談を聞いたことがある」というスタッフがおり、ツテをたどって今回のトラブル対処をお願いする運びとなったという。
JAXAでは孟宗竹から削りだした2mの特製竹槍を用意。早ければ5日夕にも東郷さんを招へいし、地上から3億km離れたはやぶさ竹槍でつついて動かしてもらう計画だ。「慣性が効くからちょっとつつくだけでミッションを達成できると思う」とJAXAは成功の見込みが高いと踏む。「あとは東郷さんにがんばってもらうばかり。大和男児の実力を見せてほしい」
【東郷征二朗さんの話】久しぶりなのでうまくいかないかもしれない。ちょっと腹も痛いし。
- 2005
- 10/05 07:28