新年のおめでとうコールによる輻輳を防ぐため、今年も携帯電話事業各社が年明けに実施した発信規制。この措置が一部に思わぬ弊害をもたらしていたことが、1日までに弊紙の調べでわかった。
都内で出版業を営むbogusnews編集主幹さん(28)も、被害を受けたひとり。主幹さんのもとには大みそかから元日にかけて、だいじな電話が入る予定だった。
「川村ゆきえちゃんが、おとその力を借りてぼくに告白の電話をかけてくるはずだったんです」
しかし発信規制の影響で、この夜、主幹の携帯が鳴ることはなかった…。
「こんなことが許されていいのでしょうか。ゆきえが勇気をふりしぼってかけてきてくれた電話を、事業者の都合でつながないなんて。こころをもてあそばれたゆきえは、いまごろ枕を濡らしているにちがいありません…」
憤る主幹さん。今後はゆきえさんが心に負った傷に対する補償として、新しい彼女を紹介することなどを各社に求めていく方針だ。
実はこうした被害は、告白電話にとどまらない。世田谷区在住の小学生・たかしくん(10)のもとには、新潟のおばあちゃんから「お年玉を百億まんえんあげる」という電話がかかってくるはずだったが、これも不通に。甚大な損害を被った。たかしくんは
「お年玉をもらったら1億まんえんはお母さんのプレゼントに使うつもりだったのに」
とくやしそうに語る。─女性の心を傷つけ、多大な経済的被害を引き起こす元日の通話規制。事業各社には被害者救済はもちろんのこと、悲劇を繰り返さないために来年以降の抜本的対策が求められることになりそうだ。