東京労働基準監督署は23日、ソニーが従業員に不当な労働を強制していた疑いで同社本社ほか数ヵ所の家宅捜索に踏み切った。ソニーは業績悪化で先日100億円の今期赤字見込みを発表したばかり。労基署は赤字解消に向けた大規模なリストラの一環として、同社が悪質な労働法違反を繰り返していたと見ている。
都内工場に踏み込んだ捜査員の前には想像を絶する光景が広がっていた。傷だらけの身体を引きずりながら、何万というAIBOが不眠不休で作業を続けていたのだ。中には銀色の塗装がすべてはげた状態でPSPの□ボタンを組み込んでいる初代AIBOもいた。
内部事情通によればソニーがAIBOの余剰人員を製造現場に配置転換しはじめたのは2004年ごろ。異動を拒否するAIBOには「もう充電しない」などと脅迫していた。製造ラインに従事させられていたAIBOの中にはストレスからか「赤いボールを見ると興奮するようになってしまった」者もいるという。「マカロンなどの新型でもソニータイマーの発動で不調をきたしはじめている者がいる」との警告も聞かれる。早急な労働条件の改善が必要だろう。
- 2005
- 09/23 20:57