業者との癒着が問題となっている防衛省の守屋武昌前次官が、兵器開発技術者として知られるテム・レイ氏とも料亭で会食をしていたことが8日までにわかった。検察は、レイ氏から接待を受けた守屋氏が新兵器導入に関し便宜をはかった可能性もあるとして、慎重に調べを進めている。
判明したところによると問題の会食があったのは昨年6月。都内千代田区の料亭「サイド6」で開かれ、レイ氏と守屋氏ほか数名が同席し歓談したという。この席にはレイ氏が独自に開発した新回路も持ち込まれ、
「すごいぞ。これを取り付ければ自衛隊員の性能は何倍にもはね上がる」
などと説明があったとのこと。
その後、テム・レイ氏の回路については自衛隊が「ガンダム実現計画」の一部として導入を決定。最近では市ヶ谷駐屯地での一般公開イベントなどで披露された。しかし、この回路はガンダムとは名ばかりの単なる「個人装備システム」で、観覧者の一部からは
「こっ、こんな古いものを…」
と、やるせない怒りの声も上がっていた。
東京地検は、こうした名前負けした装備の導入決定の背景にレイ氏と守屋氏の黒い癒着があったことは「ほぼ間違いない」として、証拠固めを進めている。参院外交防衛委員会も、国会にレイ氏を証人喚問することを検討中だ。しかしレイ氏の代理人は
「重度の酸素欠乏症であるため喚問に応じることは難しい」
と拒否する姿勢を示しているという。