北海道芦別市役所のトイレで14日、現金約1千万円が置き去りにされているのが見つかるという事件があった。袋の中には匿名で「つかってください」とのメモが同封されており、市側は
「ありがたい。
大切におしりを拭きたい」
と話している。
見つかったのは同市役所2階の女子トイレ洗面台脇。午前10時ごろ使用した市民が黒いビニール袋を見つけ、職員が開けたところ中に1万円札が約1,000枚入っていた。一緒に見つかったメモには、
「市長さま
きふです。つかってください」
とあったという。名前は書かれていなかった。
芦別市は折からの財政難で、昨今は市庁舎内トイレのトイレットペーパー購入にも事欠く状態だった。手続きでおとずれた市民が個室で悲鳴をあげるケースも何度かあったという。関係者は「用を足してから絶望した経験のある人が、見かねて寄付してくれたのだろう」と見る。
1万円札はさっそく各トイレ個室に配備されたとのこと。総務担当者は
「ほんとうにありがたい。おしりを拭く際には、この善意を忘れない。ひだのひとつひとつまで念入りに拭きたい」
と話している。紙が硬めのため、いったん丸めて伸ばしてから使用するのがコツ─とのことだ。