まさに“美しい国”の真骨頂─。混乱が続く年金問題をなんとか沈静化させようと、国を愛する国民たちが次々と年金受給権を自主的に返上していることが25日までにわかった。安倍首相が社保庁の不手際の責任をとって夏期賞与全額返上を決めたことを受けたもので、自主返上の美しい輪は国民的運動となって全国に広がっていくことが期待されそうだ。
年金受給権の返上は今年4月の法改正で可能になった制度を利用している。返上しても受給予定者にはなんのメリットもなく一部から「意図がわからない制度」とされていたが、もともとは「破綻が間違いない現行年金制度を国民ひとりひとりの愛国心でなんとか延命させたい」という目的で導入されたものだ。
都内在住の芳沢林太郎さん(68)も、年金自主返上を決めた愛国者のひとり。きっかけになったのは先週の23日、芳沢さんの年金記録に一部不備があった件について説明に訪れた厚生労働省・社会保険庁職員との会話だ。
「安倍首相も今季賞与73万円の自主返上を決めている。総理のようなボンボンにとって73万円といえば、暗い夜道で足下を照らすのに火をつければ10分は使える大きな金額。これに隣の家の人もその隣の人もみな
“すばらしい自己犠牲精神だ…”
と感動し、自主的返上を決めている。愛国心があるならあなたも自主返上してはどうか。私も必ずあとを追う」
と理解を求められ、書類に判を押したという。
厚労省では、同様に記録に問題のある有資格者全員に自主返上してもらうことで、年金問題を根本的に解決したい意向。
「さらに1億2千万全国民が返上すれば、集めた年金をいろいろ流用してウハウハできる。ぜひ国民的運動として盛り上げていきたい」
これまで約20万人の愛国者が自主返上を決めた。これらの人々については尊崇の念に基づき、生き霊を靖国神社に合祀して気高き愛国心を称える予定。