この星はどこまでモラルを低下させれば気がすむのか! 惑星連邦に所属する“地球”の人類が、死体をロケットで宇宙に打ち上げ遺棄していたことが現地時間28日までにわかった。エゴ丸出しで宇宙の静謐を犯す野蛮きわまりない行為に、ベータ宇宙域の各星間国家からは相次いで非難の声があがっている。
調べによれば地球人は同日、宇宙艦隊に所属していた故モンゴメリー・チャーリー・スコット機関長の死体を灰になるまで焼き、旧式のロケットで打ち上げて宇宙空間にバラまく─という暴挙に出た。たまたま近傍軌道を通りかかったボーグ艦がこれを観測したため、事件が明らかになった。
地球人に詳しいロミュラン帝国人のトモロク司令官は、
「本来、惑星で生まれた有機体を構成する元素は、おなじ惑星内で循環サイクルに乗せるのが正しいありかた。死んでまで宇宙に拡散しようというのは、地球人の野蛮な侵略主義のあらわれだ」
と厳しく非難。いっぽう、チャーリー機関長については「上司艦長に納期の厳しい無理難題を押しつけられても従順にこなす人物だった。今回の事件も本人の意志とは無関係で、死んだあとにまで権力者に利用されたに過ぎないのではないか」との指摘があり、地球人の腐敗は一部特権階級の専横に根ざすものと見る向きもある。いずれにしても、惑星連邦とロミュランの文化的衝突は本件をきっかけにさらに激化する可能性が高い。
フェレンギ人評論家・クワークさんのコメント:
遺灰は先物取引にかけて販売するのが常識。さもないと、死後に「聖なる宝物殿」に行けなくなる。やっぱり地球人はド変態だ