「衝突には気付かなかった。当て逃げしたとの表現は心外だ」
会見に現れた責任者の弁解に、非難が殺到している。9日起きた衝突遭難事件。今後のさらなる調査で、経営陣まで含めて管理体制に不備がなかったか究明が望まれそうだ。
この事件は9日、天の川銀河系辺境の太陽系ふきんで起こったもの。エッジワース・カイパーベルトから星屑に乗って飛来していたコメットさん(35億歳)に、背後から近づいて来た何者かが衝突。大気摩擦で燃え尽きさせるという惨事に発展した。その後、宇宙天体運行管理委員会がコメットさんの遺骸を調査した結果、付着していた青色の水分子から、衝突したのは太陽系所属惑星の「地球」であると判明。悪質な当て逃げの疑いが出てきた。
しかし、責任者として宇宙知的生命体連合審判所にキャトルミューティレーションされた地球のジョージ・ブッシュ氏は「なにもしていないのに当て逃げとは心外」との弁明を繰り返すばかり。宇宙人を喰った態度に、公正さで定評のある天秤座二重連星人のモロリ・クションペ裁判官も怒りを隠せず、
「自分の惑星の運行ぐらい管理できんのか。プレッツェル食わせたろか」
と叱責する一幕を見せた。
事情通によれば、この惑星では衝突して燃え尽きる星屑を見て「縁起がよい」と喜ぶ残虐な風習があるとのこと。事実なら今回の事件も確信犯的行動の可能性も。一部からは「こんな野蛮な星は即刻破壊すべき」との声があがっている。