アクション映画きっての名作との評価が高い「エグゼクティブ・デシジョン」に、ディレクターズカット版がついに登場する。「削除されたシーンに納得がいかない」とのファンの声にこたえたもので、3月末、HD DVDでの発売が予定されている。
同作品は主演スティーブン・セガールで96年に製作されたアクション巨編。神経毒を満載した旅客機でワシントン突入を狙うテロリストの野望を、セガール演じるトラヴィス大佐が打ち砕く…というストーリー。しかし、公開直前にプロデューサーのジョエル・シルバーとセガールが仲たがいしたため、後半の出演シーンがすべてカットに。急遽主役をカート・ラッセルにすげ替えて完成させたといういわくつきの作品だ。
これが原因で劇場版は「セガールが死ぬ」という物理法則を無視したいびつな構成となっており、ファンから
「セガールが死ぬのはご都合主義」
「本来のすがたで鑑賞したい」
と批判が寄せられてきた。
ディレクターズカット版では、爆発を得意のマーシャルアーツでしのいだトラヴィスがジャンボ機の隔壁をアーミーナイフで破って侵入。テロリストにコックのふりをして近づき一人ずつくびり殺していくという、誰が見ても納得の展開となっている。また副題に
「沈黙の旅客機」
がつけられ、正式にセガール正伝の一作に位置付けられた。再編集に携わったアラン・スミシー監督は
「できるだけ多くのセガールファンに楽しんでほしい」
と語っている。