公正取引委員会は28日、労働政策審議会が「ホワイトカラーエグゼンプション」導入を求める最終報告をまとめた件について、
「二重価格表示となり公正取引法違反の可能性がある」
と指摘。改善が見られなければ正式に調査・指導に乗り出す方針を明らかにした。
労働政策審議会は厚生労働相の諮問機関で、同日までに
「残業代0円」
をうたうホワイトカラーエグゼンプションを正式導入する方向で報告書をまとめた。公取委の指摘はこの「0円」の表記に関するもので、
「残業代は今までも適法に支払われた実状がなく、従来から“0円”だった。このような実態のない価格と並記し、雇用主にあたかも
“新しく残業代が0円になった”
かのようなイメージを与え有利誤認を引き起こすことは、違法な“二重価格表示”にあたる」
と警告する。
公取委は改善策として、
- 並記の際は、これまでの残業代を「オープンプライス」とする
- 料金プラン名を
「過労死ゴールドプラン」
などとしてわかりやすくする
などの対策を求めている。審議会の事務担当者は、
「指摘を重く受け止めている。ホワイトカラーエグゼンプションは、これまで法的にグレーだったサービス残業をきちんと合法化する点で雇用者側の利益に資するすばらしい施策。プロモーションで誤解をまねくのは本意ではない。法制化の際には表現を見直し、
“死人がいくら出てもオッケー”
というメリットを正確にアピールしていけるように努めたい」
との見解を表明した。