沖縄読谷村で在日米軍が使用している施設「象のオリ」の一部が31日、所有者に返還された。しかし、さっそく現地に立ち入った所有者が検分したところ、従来公表されてきた用途と異なる使用実態が判明。日米同盟に亀裂を生じかねない欺瞞が長年放置されてきたことがわかった。事態を受け、地元民のあいだでは米軍に対する反感が強まっている。
この日、那覇防衛施設局を介して所有地の返還を受けたのは知花昌一さん(58)。長年「象のオリ」に足を踏み入れるのが悲願だった知花さんは、職員から入り口道路の鍵を渡されると喜び勇んで中に入っていった。悲劇はその直後起こった。
「どこにも象がいない!」
からっぽのオリの中を見て、悲痛な叫びをあげる知花さん。
読谷村村議でもある知花さんは、息子さんと障害者たちが助け合って暮らす作業所を長く運営してきた。世間の偏見にさらされる中、作業所の活動は順風満帆とはいかなかった。つらいとき、仲間たちは「象のオリ」を外から見つめながらつぶやくのだった。
「象と遊びたいなあ…」
以来、知花さんは「象のオリ」の返還をめざしてたたかいを続けてきた。中に自由に入って象と遊べるようになれば、作業所のみんなの心の支えになるはず。そう信じていたのだ。苦闘十年。願いはかなった…。しかし、悪辣な米軍により夢は叩き壊された。
「数十年にわたり占有してきたあれだけ巨大な土地を、象の飼育以外に何に使ってきたというのか。他の住民も“あそこには象さんがいる”と信じていたからこそ収用をがまんしてきた。象以外の何を飼ってきたのか、米軍には明らかにする義務がある。象を飼っていたのなら、象を返してほしい。それがみんなの願いだ」
知花さんは語る。
読谷村ではすでに反対運動が活発化しはじめている。一部の住民は1日にも「象のオリ」を“人間の鎖”で囲み、みんなで
「ぞうさん」
を歌いながら抗議する予定だ。
安倍晋三官房長官のコメント:美しい国のために、ぞうさんに会えなくても我慢するのが品格ある日本人。我慢できない人は人間力が足りない。
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