米検索サービス大手Googleが、自社製OSを搭載したネットブック「Chromebook」をいよいよリリースする。競合となるPCメーカーらは戦々恐々だが、対抗を迫られているのは企業だけではない。地方公共団体の東京都青梅市は12日、同市が開発したネットブック
「Omebook」
を発表した。
Omebookは青梅市が同市内に事業所を構えるカシオ計算機とのコラボレーションで開発したコンピューティングデバイス。ネットブックスタイルのフォームファクタに、カシオの倉庫に山積みになっていた死に在庫の3.58メガヘルツCPUを搭載。Chromebookの10分の1にあたる小売価格4,980円という驚異的な安値を実現した。
ボディには青梅特産の綿織物として知られる青梅綿をあしらっているほか、マシンパワーの非力さから頻発するフリーズ時には同市の有名イベント「だるま市」にあやかり、「手も足も出ない」という意味でだるまを表示するユーザーフレンドリーな設計だ。販売は青梅市に本社があるスーパー「オザム」グループが担当。購入の際、レジ袋不要と申し出ると「袋無(たいむ)CARD」を発行。スタンプを20回ぶん集めれば100円引きになるサービスも実施するという。
地方公共団体がChromebook対抗製品を出す意義について、竹内俊夫市長は発表会の席上で「日本最大のマラソン大会を開催している“世界のオーメ”として、似たような名前の製品で一介の私企業に先んじられるわけにはいかなかった」と語った。いっぽう
「OmebookではなくOmecomputerとしたほうが一般の消費者にわかりやすかったのではないか」
「略してOmecom。いいじゃないですかOmecom」
との取材陣からの質問へなぜかノーコメントで押し通す市長に、「うしろめたいことでもあるのではないか」と疑念の声もあがっている。