コミックにおける多くの性的描写を規制する東京都の青少年保護条例。対象となる作品を出版している企業や同人サークルは戦々恐々だが、規制をくぐりぬけられる新ジャンルが発見され、作家らが続々参入してにぎわっている。規制強化の波に抗う一方策として期待できそうだ。
条例成立後に急速に発刊作品数が増えているのは、
「“男の娘”がひとりで自慰行為に耽る」
タイプのエロチックコミック。女装した男子が恥ずかしげに自慰を繰り返す描写があるが、今回の規制対象となる違法な性行為は含まれていないため「セーフ」だという。
また、ふつうに自慰をした場合は聖書に出てくる「オナン」のように「生殖外の目的で射精する」という反道徳的行為を賛美する危険性があるが、これらの作品では
「発射後にビンに入れてとっておく」
ため、やはりセーフだという。
業界通は「規制が強まっても人の創作意欲は負けないというあらわれ」としつつも、「このまま規制強化が進めば一般人の性的嗜好もニッチに陥ってしまう」との不安も指摘している。