NTT東西地域会社は、現在展開しているIC搭載プリペイドカード式の公衆電話を順次廃止していく方針を、20日明らかにした。ICカード式はそれまでの磁気カード式の「偽造カードに弱い」という欠点を解消するために開発されたが、携帯電話の急激な普及の前にその役割を終えることになる。
両社は、今後の公衆電話事業の展開について「マニアをターゲットにしたニッチ市場に特化する」予定。年度内に新たに「真空管式プリペイドカード」に対応した新型を開発するという。
「真空管は“ICはダメだ”というアナログ回帰志向のマニアを中心に人気を集めており、手堅いニーズがある。プリペイドカードに今や貴重な真空管を採用することで高付加価値商品となり、収益改善が見込める」との目論見だ。いっぽうで技術的には、大型真空管の採用により「カードというよりはボックス形態になる」ほか、「潤沢な真空管在庫を抱えるロシア・東欧地域からの偽造カード流入の可能性は否定できない」といった問題があるようだ。
なお、記者会見では真空管カード採用公衆電話機のモックアップも公開されたが、音質がICに比べてよくなっているかどうかは確認できなかった。
- 2005
- 01/20 23:52