高級レストラン経営で名高い株式会社シェー松尾(本社:渋谷区)は、17日、資金繰りの目処が立たず事業継続が困難となったことから事業譲渡および債務整理に入ることを明らかにし、事実上倒産した。おフランス帰りの高級感がウリの名店だっただけに、業界には衝撃が走っている。
シェー松尾は、創業社長の松尾イヤミ氏がおフランス留学で習得したわざやセレブ感を武器に、90年代に創業。店舗数をしぼりつつ富裕層に訴えかけるマーケティングが功を奏して、一大名店にのぼりつめた。
しかし、最近では
「社長の感情表現が激しく、なにかあるとすぐ“シェーッ!”と飛び上がるのでくつろげない」
との苦情が相次ぎ客足が遠のいていた。
最近では起死回生の策として、社長の昔の知己より「チビ太のおでん」を仕入れメニューに採用するなど差異化に乗り出していたものの不発に終わり、今回の顛末となった。一部には「社長がイヤミだったから」と経営者の人格を不振の原因に挙げる声もあり、あらためて人間力のたいせつさが浮き彫りとなったかっこうだ。