「Twitterの特性を完璧に理解したキャンペーンができた。喜ばしい」―東京ガスは9日、同社が「Twitter」上で展開したキャンペーンがユーザーから批判を受け“炎上”した件について、メディア向け声明を発表した。コントロールの難しいソーシャルメディアを使ったPRの数少ない成功事例として、注目を集めそうだ。
このキャンペーンは東京ガスが同社公式Twitterアカウントを使って、不特定多数のユーザーに対し大量に
「ガス・パッ・チョ」
というつぶやきを送り付けたもの。ネットユーザーからは「とんでもないスパム行為だ」と非難が殺到。ネット史上でも類を見ない炎上事件に発展した。
しかし、このところ寒い日が続いたこともあって
「これだけの炎上を起こせる東京ガスの暖房器具は、よほど暖かいにちがいない」
という口コミが広がり、電器店などに東京ガス製ファンヒーターを買い求める客が押し寄せた。その後、同社が「冬に炎上することで購買意欲を高めるプロモーションだった」と種明かし。ネットでは「一杯食わされた」「やるなあ」と感服する声が広がっている。
今回の事例は、一般に忌み嫌われがちな炎上に大きなビジネスチャンスが隠されていることを如実に示したもの。「そろそろ末期か」ともささやかれるTwitterだが、炎上メディアとしての潜在能力は計り知れないだけに、まだまだ活用を検討する余地がありそうだ。