指定暴力団山口組が神戸市灘区の総本部で開いた餅つき大会で、訪れた子どもたちに「お年玉」として現金を配っていた事件で、組員らが
「子どもたちに脅された。被害者はむしろわしら」
と抗議していることがわかった。純真な子どもに脅されたなどというあまりにもありえない言い訳に、地元住民の怒りは沸騰するばかりだ。
山口組組員によると、この日は餅つき大会の開催のみで「元日じゃないからそもそもお年玉を配る予定はなかった」という。しかし、子どもたちが口々に
「タマとったるけんのう」
「こちとら慈善事業に来てるんじゃねえんだよ」
「少年法知っとるか。少年法」
と暴言を吐きながら殺到したため、おびえた末端構成員が独断でお年玉を渡してしまったとのこと。居合わせた組員は「わしゃあ広島大抗争の生き残りじゃが、あんな気迫は味わったことなかったとよ」と震えながら話す。
しかし、父兄らは
「うちの子どもたちがそんなことをするはずがない」
「ふだんから“今年は不景気でお年玉は出せない。ほしければありそうなところからもらいなさい”と叱るなど、厳しくしつけている」
と反論。組員らの主張は「全面的に虚偽」と否定している。子どもたちも「もうPS3買うのに使ったからカネは返せない」と語るなど、世代を超え地域ぐるみで反・暴力団活動が盛り上がるきざしを見せつつある。