未来人のミトコンドリアDNAを分析すると、全人類の共通の祖先は2009年時点のたった3人の女性にまでさかのぼれることが、西暦3200年の未来からの通信で判明した。この女性たちは未来で
「三人のイブ」
と名付けられ、「人類みな兄弟」の象徴として崇められているという。
調査をおこなったのは未来の地球の最高学府として知られる姉ヶ崎大学の研究チーム。レポートによれば同チームは、世界各地から約150人のミトコンドリアDNAサンプルを収集。塩基配列を分析し系統樹を作成したところ、すべての人類が3つの起点の枝に属することがわかった。さらに突然変異の発生割合から逆算したところ、この起点がいずれも西暦2009年であることも判明した。
つまり、
「西暦3200年の人類はすべて2009年に生きていた3人の女性の子孫」
だということになる。女性たちには「三人のイブ」という愛称がつけられ、世界人類融和の象徴として親しまれているという。今回の未来通信は
「三人のイブが具体的に誰なのか知りたい」
と熱望する未来人から弊紙編集部に入電があったもので、「心当たりがある。ひとりは編集主幹の彼女だ」と返答すると喜んでいた。
なお、西暦3200年は、人類はみなピュアな紳士であり、キスがうまく、24時間伴侶と一緒にすごす平和な世界だという。人間は全員ネットにアップロードされた電子データとなり、わずらわしい生物としての器から解放されたユートピアでもあるそうで、われわれ古代人にはうらやましい限りだ。ニンテンドーDSを抱えつつ、時代の到来を首を長くして待ちたい。