警視庁が覚せい剤取締法違反(所持)容疑で逮捕状を取った酒井法子容疑者(38)について、自宅マンションで押収された覚せい剤の吸引器具から検出されたDNAが酒井容疑者のものと一致したことがわかった。捜査員のひとりが
「たまたまアイドル時代の容疑者のDNAサンプルをもっていた」
ため検査が可能となったもので、警視庁では「お手柄だ」と自画自賛している。
吸引器具については酒井容疑者の逮捕状が出た直後の早い段階から見つかっていたが、付着していた唾液のDNAと比較できる容疑者のサンプルがなく、覚せい剤使用の証拠とする決め手に欠ける状態だった。しかし、捜査員のひとりが
「ぼく、のりPのDNAサンプルもってます!」
と名乗り出たため急きょ検査が可能となった。
警視庁によれば、この男性捜査員(42)は庁内でも有名なアイドルオタクで、かつてはのりPの追っかけをしていたこともあるという。DNAサンプルはそのころ彼が収集したもので、酒井容疑者の唾液つきストロー。保存状態は良好で、鑑識の検査により型が完璧に一致することがわかった。
捜査関係者は
「“ひょうたんからこま”というか、“オタクから重要証拠”という非常にめずらしいケース。捜査員のお手柄だった」
と喜んでいる。いっぽう、DNA鑑定による冤罪が問題になった「足利事件」の被告支援団体は8日午後、
「どう考えても保管していた捜査員の唾液がべったり付着しているはずで、証拠としては信用できない。新たな冤罪を生みかねない」
として抗議する声明を発表した。