小泉首相の靖国神社参拝などを背景に対日感情が悪化の一途をたどる中国。外務省では関係改善を期待して、日本アニメの輸出にテコ入れしていく方針を固めた。21日の外務省幹部談話で明らかになったもので、「対中広報費」として次年度予算に31億円を盛り込む構えだ。
2006年度はテストケースとして、人気アニメ1作品を中国の地方テレビ局向けに配信する。アニメを通じて日本に関心をもってもらい、友好的な雰囲気作りの礎を築くのが狙いだ。
現在配信候補にあがっているのは、90年代に民放で放映されたヒット作「魁!男塾」。日本の高校を舞台にしたさわやかな学園ドラマだが、折りにふれ古代中国の伝統文化が数多く登場することから白羽の矢がたった。信頼感あふれる文献もしばしば紹介されるため「教育熱心な中国人家庭に受け入れられやすいのでは」と外務省の担当官はみる。
外務省では、反応が良好なら06年度下期にももう1作品投入することを検討している。こちらは犬と豚がなかよくじゃれあう動物アニメ「のらくろ」が候補にあがっているという。
- 2005
- 12/21 16:50