キングジムの「ポメラ」発表で突如生まれた“テキスト入力専用ツール市場”に、早くもライバルが参入する。三菱鉛筆(本社:東京)は22日、新製品の
「ダイヤ」
を発表した。ポメラ同様単機能に絞ったシンプルなコンセプトの製品で、「文字を記録するだけ」というこれまで眠っていたニーズを揺り起こすことができるか、注目を集めることになりそうだ。
発表されたダイヤは先行するポメラよりもかなりコンパクト。大きさわずか8mm×172mmというテキスト入力デバイスで、ビジネスマンが胸ポケットなどに刺しておいても違和感がない。モノクロ表示機能しかないが、代わりに連続稼働時間は1~2年(JEITA計測値)を実現したという。バリエーションも豊富で、メインストリームの「HB」のほか、文字の読みやすい「2B」、技術者向けの「2H」を用意する。
従来の三菱鉛筆製同系ガジェットでは、本来のテキスト入力目的とは関係ない
- いらいらしてきたらかじることもできる
- 彫刻してアートにする
- 転がしてサイコロがわりにしたりエンバトをする
などのエンタテインメント機能が装備されていたが、教育現場では「児童の気が散る」との指摘があった。ダイヤでは「素材にワサビを練り込む」「特殊チタン採用で削れなくする」「面をなくす」といった対策を施し、より本来の機能に特化した製品にしあげた。
三菱鉛筆広報部では
「オープンプライスながら、店頭価格は1本あたり80円以下を見込んでいる。価格ではポメラに負けない」
と自信をうかがわせる。11月初旬発売予定で、当初は「特製収納ケース入り12本セット」を限定出荷するという。