政治団体事務所として届けていた秘書官宅に関係者の出入り実態がなく「幽霊事務所か」と非難されている問題について、太田誠一農水相は27日閣議後の記者会見で、
「れっきとした幽霊の事務所であり、なんらやましいことはない。幽霊を差別するのは許せない」
と反論。あくまで辞任する考えのないことを示した。
この問題では、届け出されている事務所の隣に住む住民が
「7年ここに住んでいるが、家族以外の人の出入りを見たことがない。あきらかに幽霊事務所だ」
などと証言。農相の弁明に注目が集まっていた。これに対し太田氏は「幽霊の秘書が活動拠点として使っている。見えなくてあたりまえ」とまっこうから反論にうって出た。
氏によれば、この幽霊は生前に農水大臣まで務めた優秀な人物。汚い政略の犠牲となって亡くなり成仏できずさまよっていたところ、豊富な経験を買い太田氏が秘書として雇ったという。
「彼は毎日駆けずり回って命がけで働いている。でも霊だから霊感のない人には出入りが見えない。見えるわけがない」
と理不尽な批判に怒る太田氏。問題の住宅を事務所にしたのは、かつての刑場跡で霊の住みやすい環境だから。また、2年で2千3百万円にのぼる経費は周りに霊障がおよばぬよう結界を張るのに使ったという。
太田氏は
「私自身もこのようなスキャンダルに巻き込まれ、いつ消されて幽霊政治家になるかわからない。誰もが幽霊になりうるこの時代。幽霊だからと言って政治に携われない、事務所をもてないとしたらとんでもない差別ではないか。騒いでる人は陳謝してほしい」
と、やかましい有権者に幽霊の権利理解と尊重をあらためて訴えていた。