相応の職権・待遇が与えられない“名ばかり管理職”が問題になっているが、各企業もいよいよ解決に本腰を入れ取り組みはじめた。非人間的な働きかたを強制する名ばかり管理職にかわり、新たな管理職制度を設けるところが増えているのだ。
22日に同問題で店長らに残業代支払いを命じる判決を受けた紳士服のコナカ(本社:神奈川県)も、そんな企業のひとつ。今月はじめから新管理職制度として試験導入したのが、名ばかり店長とは真逆の
「実ばかり店長」
だ。店長という役職名を設けず、一般社員やパートなどに店長なみの業務=“実”だけを押し付けるという制度。もちろん残業代は基本給に含まれるので、「人件費を削減しつつ、若い人に責任ある仕事をする夢を実現してもらえる制度」とコナカ広報部は胸を張る。
いっぽう、日本マクドナルド(本社:東京都)でも
「名もなき店長」
を来月から新設することを決めた。これは店長職に就いた者の名前を在籍者情報から抹消することで勤怠管理を不要化し、サービス残業の実態が世間に漏洩する可能性もゼロにするという画期的なもの。さらに、地球環境保護にも配慮しており、
「ちょっとぐらいの汚れ物なら
残さずに全部食べてやる」
と、マックの大量の廃棄ハンバーガーを食べて処理するという役割を果たすという。これにより同社は今年度下期からゼロエミッションを実現する予定。
こうした労働環境改善策は他社でも導入事例が広がっており、識者によれば
- 休憩室が便所の「はばかり管理職」
- なってみたら給料が雀の涙ほどだった「がっかり管理職」
- 社長のどんなばかげたアイデアにもゴマをすらなくてはならない「ばかばっかり管理職」
などの例があるという。日本の管理職の待遇にも、ようやく明るい兆しが見えてきたと言えそうだ。