ルックスに秀でたイケメンよりキモいオタクのほうが女性にモテて、早くしあわせな結婚ができる─NHKがテレビ番組で取り上げたことがきっかけで、こんな科学現象についての話題がネットで沸騰している。一部の人々には一筋の光明とも思える話だが、「ありえない現象」と激しく批判する識者もいる。
議論の的になっているのは、NHK「ためしてガッテン」が9日放送した「オタクの恋愛大革命!」。深刻な結婚難を抱えているキモオタ向けに、いかに恋愛で成功するかを紹介する内容だった。この中で取り上げられたのが、“一定の条件でイケメンよりもキモメンのほうがモテる”とする
「キモメン効果」
だ。その筋でもほとんど知られていない科学現象で、編集部が近所のユニクロで男性数名に調査をおこなったが「聞いたことがない」との回答がほとんどを占めた。
キモメン効果の発見は1990年代にまでさかのぼる。当時大学生だった東京のオタク男子が、学校で「おまえキモいからモテねーんだよプゲラ」といじめられた際、
「ボクは将来すごい美人と結婚して幸せになるよ」
と宣言した。周囲の学生や教授は笑って取り合わなかったが、10年後、この男子は超ナイスバディのナオンと結婚し周囲をブイブイ言わせるようになった─。番組で効果を知ったMNO(もてない男)らは、ネットの掲示板で「そういうこともあるんだと勇気がわいた」「指出し手袋やバンダナでキメてモテる努力をしていたが、逆に“モテようとしない”という選択もあるのだと思った」などと感想を書き込んでいる。
いっぽう、モテに詳しい識者のbogusnews主幹は徹底して番組批判を展開。キモメン効果については、“結婚するには必ずイケメンになってモテる必要がある”として
「キモいのにどうして結婚できるでしょうか。キモいほうがモテるなら、私など今ごろ川村ゆきえと結婚できているはず。われわれを惑わそうとする恋愛強者の陰謀だ」
と痛烈に指摘している。これに対し、NHK広報部は「予備実験を10回以上もおこない、キモくても美女とラブラブになる事例をいくつも確認している。番組では“カネや地位が関係しているのではないか”との仮説も紹介した」と、問題ないとの立場を崩していない。しかし、再現性に著しく差があるのは事実であり、それが結果的に論議を呼ぶことになったようだ。