検索サイト大手のYahoo! JAPANは3日午前、同日付で実施された検索システムの「ロボット中心型」への変更について記者会見を行った。この施策は9月からすでに予告されていたものだが、国内で徹底した人間排除を実現したのは同社が初めてだけに、一部からは「人権侵害につながるのでは?」との声もあがっている。
従来Yahoo!では、キーワード検索の問い合わせに対し「サーファー」と呼ばれる係員が人手で回答を行ってきた。初心者に優しいなどの点で定評を得てきたが、利用率の高まりとともに人件費の高騰が利益率の低下を招くようになった。最大時600万人というサーファー増員でカバーしてきたものの、昼夜を問わず対応を要求される過酷な労働環境ゆえ、「“小倉優子”で検索したら“小倉ありす”の結果が出てきた」などケアレスミスが目立ちはじめていた。ロボット型への転向はこれらの問題を一挙に解決するものと期待されている。
会見に臨んだ同社社長・井上R雅博氏は
社員ヲロボットニスルコトデ、給料ヲシハラウヒツヨウガナクナッタコトモオオキナメリット。ギギ。弊社ハ不眠不休デ事業ヲマットウシテイクダロウ。ピガー
と機械の身体をきしませながら、リニューアルの意義深さを語った。いっぽう、強制的なロボット化に反感をおぼえる社員はいなかったのかとの記者からの問いに
改造ノトチュウデニゲダシタモノモイル。「検索ノ鉄人」トナノッテ反旗ヲヒルガエシテイルヨウダガ、弊社ノ怪人ガカナラズヤ制裁ヲクワエルダロウ!
と自信を見せていた。
検索業界では他社も密かにロボット化を進めているとの噂が根強い。新興企業の「はてな」は「人力検索」を掲げているものの、社長の近藤淳也氏自身が「開発のターンアラウンドタイムが人間にしては短すぎる」「ナードなのに奥さんがいる」などの点で「人間でないのではないか」と疑われている。匿名希望の業界事情通は「このままロボット化が進めば検索エンジンはロボットに支配されてしまう」と将来を憂いていた。