今月中旬、首都圏鉄道各駅の自動改札で相次いだ障害について、原因はたった漢字一文字ぶんのミスだったことが27日までにわかった。きわめて単純なミスがのべ260万人の足に影響した今回の事故で、初等教育の重要性があらためて浮き彫りになったかっこうだ。
問題を起こした自動改札機は、いずれも日本信号(本社:東京)が製造したもの。今月12・18日の事故発生後から同社では詳しい原因の調査を続けていた。その結果、トラブルを起こした改札機の形式標示板で、本来
「自動改札機」
とあるべきところが、いずれも
「自動攻札機」
と誤記されていたことが判明した。
同社では事故の原因を
「名前の漢字が間違って書かれたために言霊がうまく働かなくなり、誤動作を引き起こしたもの」
と断定。同日中に各駅に赤ペン先生を派遣、書き直しの補修作業に入った。一報を受けたJR東日本などの関係者らは原因が判明したことに胸をなでおろすとともに、「“花札機”などと間違われていたら朝の改札口が賭場になっていたおそれもある。とんでもない話だ」と日本信号の国語力の低さに怒りを隠せないようすだった。
事態を重く見た日本信号幹部は再発防止につとめるとの意向を表明。週明けからさっそく杜員全員に「毎日漢字書き取り100回」の宿題を出す予定だ。