現行より大容量の次世代DVD統一規格について、家電メーカーを中心とした二陣営の交渉が事実上決裂したことを受け、23日、江戸町奉行・大岡越前守忠相は両者の仲裁に向けコンタクトを取り始めたことを明らかにした。“大岡裁き”で知られる同奉行がどのような裁定を下すのか。国内電器産業界だけでなくハリウッドの大手コンテンツホルダーも熱い視線を注いでいる。
次世代DVD規格は、ソニー・松下の「ブルーレイ・ディスク」陣営と東芝を中心とした「HD-DVD」陣営がほぼ業界を二分して対立してきた。2月ごろから統一規格策定に向けての調整交渉が行われていたが、けっきょく歩み寄りが実現することなく“交渉期限”とされていた8月末を迎えてしまった。二つの規格が並立したままでは消費者の混乱を招くおそれが大きい。国内アナリストの中からは「分裂状態のまま市場への商品本格投入が始まれば“VHS対ベータ”の二の舞になりかねない」と景気への影響すら指摘する声もあがっている。
大岡氏は伊勢山田奉行在任中、山田・松阪住民集団訴訟を裁いた実績で知られる。規格策定についても江戸町火消「いろは」47組制(JIS X-0168)を提案するなど造詣が深い。同氏は、足がかりにすべく「ブルーレイ・ディスクはぼくの娘」と語るBD陣営の過激派・久夛良木健氏(ソニーCOO)との話し合いをこの週末にも設定しているという。
【大岡越前守忠相氏のコメント】勝算はある。ソニーと東芝それぞれに、消費者を左右から引っ張らせる。最後まで手を離さずにいたほうが真に消費者想いの規格のはず。
- 2005
- 08/23 23:10