一部マニアの絶大な支持を受け書籍化されたブログコミック「今日のサンリオSF文庫さん」が、発売から2日で早くも絶版の憂き目に遭っていたことがわかった。“ブログ発”企画の安易な出版ブームに一石を投じることになりそうだ。
「今日のサンリオSF文庫さん」は、特定の文庫ブランドを擬人化したコミックとしてインターネットでマニアックな支持を集めていたブログ。コンテンツの魅力に注目した東京創元社がこれを書籍化。今月1日付けで出版していた。
しかし、主人公の「サンリオSF文庫さん」のキャラ設定が、
- とつぜんハッパをキメて神秘体験にハマりだす
- 三部作で神の存在について蕩々と語る
など、一般人にはついていけないほど人間として完全に破綻しており、配本先の書店から「こんなヘンな本はウチでは扱えない」と即返品されるケースが続出。東京創元社では「ビジネスにならない」として、早々と絶版を決定した。
いっぽう、絶版の知らせを聞いたファンらは、悲嘆に暮れるかと思いきや
「待ち望んでいた展開。神保町古書店街に細々と流れてくるのをゲットして、優越感に浸れる」
などと一般人には到底理解できない屈折した喜びの声をあげていた。「SF者は異常」という科学的事実を再認識させられるできごとだったと言えそうだ。