地球温暖化に伴い全土が水没の危機に瀕している南太平洋の島国・キリバス。同国が水没に備え10万人にのぼる国民の脱出先を求めている件について、早くも名乗り出る国が現れた。おなじ太平洋に浮かぶ名もなき小さな島国だが、人道的配慮に基づく英断に国際社会から賞賛の声が寄せられている。
1日に「キリバス全国民を移民として受け入れる」と意思表明したのは、ひょっこりひょうたん島のドン・ガバチョ大統領。同日、ひょうたん島テレビの特別番組に出演した大統領は
「キリバスのみなさ~ん、ご安心ください。みなさんの生活は、わたくしがガバチョと保証いたします。ひょうたん島は海にプカプカと浮かんでおり、どんなに海水面が上昇しても沈むことはぜったいございません。みなさんの祖国の悲劇を繰り返すことは、二度とないのであります。わたくし、このヒゲにかけてお約束いたします。ハタハッハッ…」
と演説。早ければ2日以降にも、詳細を詰めるためキリバスのアノテ・トン大統領のもとを訪問したいと述べた。
ひょうたん島の現在の人口は10人で、仮にキリバス人全員を受け入れれば国民の1万倍もの移民で膨れあがるという歴史上類を見ない事態となる。ガバチョ大統領がこの状況を正確に認識したうえで受け入れ表明したのであれば、困難を恐れないまこと高潔な精神に基づく英断としか言いようがなく、世界各国からは「ヒョウタンジマ・イズ・アンビリーバブル」と偉業を称える声が次々と寄せられている。「今年のノーベル平和賞はガバチョに決まった」との指摘もある。
いっぽう、ひょうたん島内部からは今回の決定を不安視する声も漏れ聞かれる。中でも心配されているのが同国の「治安の悪さ」。事情通によれば、島内には
- すぐなぎなたを振り回す非常識教師
- 海賊
- 島の警察機構をいつの間にか牛耳ってしまった元マフィア
などがはびこっており、島民の3割が犯罪者という恐るべき状況になっているとのこと。仮に移民が可能だとしても、ひょうたん島がキリバスの人々にとって真に安住の地となるかどうかは未知数─と言えそうだ。