多次元宇宙を股にかけて正義をつらぬく農相の活躍を描いた、不条理SFアニメの第3回。今回の敵は32次元人が送り込んできた謎の刺客だ。正体究明のため茨城県選挙管理委員会事務所に忍び込んだ超時空大臣アカギ(声:平野綾)は、そこでありえないものを発見する…。
「こ、これは…! まったく同じ内容の領収書がふたつ!? こんなことは物理的にありえない。まさか…」
「ククク…そのまさかだよ」
「何者だ!!
…キサマ!?
オレとまったく同じ顔の男!」
「そう。顔だけではない。32次元人がオマエを倒すためシュバルツシルト境界から召喚した、存在座標以外のすべてが同一の特異点…」
「“ドッペルゲンガー”か!!」
「そのとおり。フフフ…どうする? ドッペルゲンガーを放置すれば時空の矛盾がひろがり、やがて宇宙の自浄作用で貴様の存在は従軍慰安婦のようになかったことにされてしまうぞ、アカギ!」
「…ふっふっふっ。こんなこともあろうかと、首相や選対本部から秘密兵器を預かっていたんだ!」
「な、なにっ? そ、それは前農相を死に追いやったという“遺書”じゃないか!!」
「美しい国のために死ね! 日本国万歳!」
「ぐわあっー!
(ボカーン!)」
5年以下の禁固刑となるところをからくも逃れたアカギ。手に汗握るストーリーテリングの手腕は見事だったが、このところ作画の乱れが気になる。首相の顔のしもぶくれがひどすぎるのではないか。制作陣にはもうひとふんばりしてもらいたい。