おでん種などとして人気の高い海産物“ちくわ”は工業製品だった─!? 文部科学省が国民の科学知識レベルを把握するため行った調査で、意外な“非常識”がまかりとおっていることが判明した。同省では「今後科学立国をめざすうえでアキレス腱になりかねない」と、啓蒙につとめたい意向だ。
この調査は昨年12月に国内の成人およそ4千人を対象に行われたもの。かんたんな科学関連の質問に選択式で答えるアンケートのかたちを取った。この中にあった
「ちくわはどんな生物ですか」
との設問に対し「生物ではなく、工場でつくる」という誤った選択肢を選んだ者が、同省がこのたびまとめた報告書によれば、なんと回答者の82%を占めたという。
正解はもちろん「腔腸動物」。ちくわは学名でチクワブ・ニッポニアと分類される腔腸動物の一種。なかでもよく食卓にならぶのが小型で茶色い紋様のある「チャバネチクワ」だ。骨が少なく味にクセがないことから長く日本人に親しまれてきた。いっぽう、南氷洋に棲息する「シロナガスチクワ」は全長50mになり性格は獰猛。地元アルゼンチンの漁師のあいだでは「ディアブロ・デ・トマレ(丸呑みの悪魔)」と呼ばれている。
こうした常識が大人のあいだに浸透していないことについて、文科省の担当者は
「国内の産地が瀬戸内海のごく一部に限られていることが一因だろう」
としながらも、対応は急務と判断。銀座の海鮮居酒屋で酒盛りがてら啓蒙策を検討したい、と語った。
海洋生物に詳しいアリス・リデルさんのコメント:
タラは、しっぽを口にくわえてカラダじゅうパン粉だらけにして海の中を泳いでいるのよ