世界で5人目の宇宙旅行客として国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していたアメリカ人、チャールズ・シモニー氏が21日正午過ぎ(現地時間)、ロシア宇宙船によりカザフスタンの草原に着陸。帰還に成功した。氏の滞在中、ISSではトラブルが続発。生還を危ぶむ声もあっただけに、関係者はホッと胸をなでおろしている。
シモニー氏はマイクロソフト出身のプログラマーで、ワープロソフト「Word」の開発者として知られる富豪。旅費として約30億円を支払い今月7日にISSに出発。約2週間の“宇宙観光”を楽しんでいた。
しかし氏の到着以来、宇宙ステーション内ではコンピュータが不審な挙動を示すトラブルが続発。制御コンピュータに
- データを入力すると勝手に箇条書きになる
- ホームページアドレスが自動的にホットリンクになる
- 「前略」と打ち込んだら、入力した覚えのない「草々」が追加される
- あまり使わないメニューが勝手に消える
などの事象が相次ぎ、ISSの運航に支障が出る寸前に陥ったこともあったという。
また帰還用のソユーズ宇宙船でも、制御パネルから命令を入力しようとすると
「ムカつくイルカが出てきて邪魔する」
という謎のバグが発現。判明したのが大気圏再突入直前だったため、一時はシモニー氏を含むクルー全員の生還が絶望視されていた。
無事帰還できた秘訣について、ロシア側スタッフは「EDLINを使った」とこともなげに語っていた。いっぽうシモニー氏は、一連のトラブルとの関係についてコメントを拒否している。