新年から発効した「本人確認法」に反し、違法な業務を行っている銀行のあることが、利用者からの通報で4日までにわかった。金融庁は、この銀行に対しすみやかに行政指導を行うことを検討中だ。
問題となっているのは都市銀行大手の
「おかあさん銀行」
だ。1月1日発効した改正本人確認法に基づき、金融機関では
- 口座開設時の本人確認の徹底
- 10万円以上の振込は窓口対応のみとすること
でマネーロンダリング防止への配慮が義務付けられているが、おかあさん銀行はこれを怠り、
- 母親が子ども名義の口座を勝手に開く
- 母親が、子どものもらった多額のお年玉を、窓口にも行っていないのにどこかに振り込む
などの違法行為に荷担していた疑いがもたれている。
同行では「預けておいたおこづかいがいつの間にか消える」などの不祥事もたびたび指摘されている。政府は業務実態を早急に把握する必要があると見ており、金融庁筋によれば異例の早さで行政指導に踏み切る予定だという。
いちはやく結成された「おかあさん銀行被害者の会」代表・たかしくん(11さい)は
「母親に“年利20%でおトクだから”と勧められ、断り切れず3さいのときからお年玉を預けてきた。マルチ商法的で悪質。勧誘に携わった人々を処罰することも必要ではないか」
と憤りを隠せないようすだった。