前著「ツキを呼ぶ“トイレ掃除”」で絶大な支持を集めた著者による新刊。今回のテーマはずばり、
「残業代を返上しよう!」
だ。
著者は長年の経験のなかで、企業の業績と残業代支払い額に相関関係があることを発見。
「社員が残業代を受け取らない企業ほど経団連のトップに名を連ねており、自民党に多額の献金をする余裕がある」
ことをつかんだ。この事実から著者は
「残業代には“負のカルマ”がある。これをもらわず返上することが社員の人間力を高め、企業にツキを呼ぶ」
と主張する。
さらに驚くべきことに、社員がさらに滅私奉公し経営者宅のトイレを掃除すると一層の相乗効果が生まれるという。すでに実践している企業の社長はどんどん儲かっているそうだ。これは、かつて日本企業の「社長-社員」が一丸となり家族のように経営にあたっていたころのほうが業績がよかったという事実とピタリと符合する。
近ごろホワイトカラーイグゼンプションがらみの議論が沸騰しているが、否定派の人間力の低さをあぶり出し、早期の制度導入に拍車をかけそうな一冊だ。ワーキングプアーはぜひ手にとって読んでみてほしい。本書を信じれば、きっとあなたにもツキが訪れるはずだ。