立川談志さんなど巨星の訃報があいついでいるが、師走も押し迫るなか子どもから大人たちまでショックを受けそうな知らせが飛び込んできた。スーパー戦隊シリーズなど東映特撮番組の原作を数多く手掛けてきた八手三郎さんが、6日、都内の病院で亡くなられた。享年85歳。
八手さんは戦後すぐに「子どもたちに夢を与えたい」との思いから東映に入社。名作「スパイダーマン」で頭角を現したのち、スーパー戦隊シリーズ「バトルフィーバーJ」で「特撮原作の巨匠」の座を不動のものとした。仕事だけでなくプライベートでも話題の的となることが多く、最近では同じ東映の女性作家である東堂いづみさんとの「年の差婚」で注目を集めた。
その後、現在放送中の「海賊戦隊ゴーカイジャー」まで第一線の現場で活躍してきたが、夏ごろに持病の遅筆が悪化。入退院を繰り返していたものの薬石効なく息をひきとった。故人の遺志で葬儀は密葬となる。喪主は妻のいづみさん。
晩年の八手さんは、サンライズ所属でライバルと目されていた矢立肇さんの話をすることが多く、
「“ガンダムAGE”のような野心的な作品を書くことを強いられてみたいものだ」
とアニメへの取り組みに夢を広げていたという。