「スカスカお節料理」で批判を浴びたクーポンサイト大手グルーポンで、またトラブルが発生した。こんどは人気鯛焼き店で、キャパを上回るクーポン押し付けに嫌気がさした鯛焼きが逃げ出し、やむなくクーポン使用を停止せざるをえなくなったという騒ぎ。グルーポンの企業倫理があらためて問われそうだ。
問題が起きたのは鯛焼きの老舗店「浪花家総本店」(東京・麻布十番)。昨年12月末にグルーポンと契約し、鯛焼きが半額になるクーポンを販売した。しかし、当初店側が想定していた数を大幅に上回る1万5千枚が売られて客が殺到。店員はうれしい悲鳴をあげていた。
しかし、毎日毎日鉄板の上で焼かれていた鯛焼きたちが
「嫌になっちゃう」
と労働条件の改善を要求。応じなければ「海に飛び込む」と強硬姿勢に出たため、経営陣も「存続が危ぶまれる」と判断。クーポンの使用停止に踏み切った。
同店店長の神戸守一さんは「たまには鯛焼きたちに広い海を味わって心はずませてもらってもよかったのだが、会社の経営が成り立たなくては意味がないと考えて決めた」との談話を発表。利用者には返金を含めた対応をおこなっていくという。